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  • 公募について

第二期公募研究の募集

領域名:細胞システムの自律周期とその変調が駆動する植物の発生

領域略称名:植物の周期と変調

領域番号:7104

設定期間:令和元年度~令和5年度(第二期は令和4年度~令和5年度)

領域代表者:中島 敬二

所属機関:奈良先端科学技術大学院大学先端科学技術研究科

 

募集要項

 

本研究領域では、植物発生学、情報学、数理生物学の密接な連携により、植物が堅牢かつ可塑的な周期形態を作るメカニズムを明らかにする。植物の個体は、オルガネラから器官に至る様々なスケールに周期形態を示し、その周期を変調させることで、種に固有の形態や環境に適応した成長を実現している。植物の発生や成長を理解するには、その基軸となっている周期形態の発現機構を明らかにすることが必須である。本研究領域では周期を生み出す内的振動子の実体や、その変調機構、また、内的周期が細胞、器官、個体レベルの形態や成長動態を制御する機構を探求する。研究項目として、イメージングや分子遺伝学などの実験的手法を用い、植物器官形態の表出原理を探求するA01、同様の手法により、細胞運命の決定と細胞構造の表出原理を探求するA02、及び、数理生物学や情報学・人間拡張工学に基づく解析や技術開発を行うA03の三つを置く。 公募研究では、植物発生学や数理生物学の研究課題、及び生物学者の発見や解析を支援する情報学・人間拡張工学の研究課題を募集する。生物学の課題としては、計画研究を補完する課題、例えば、多様な植物種や、様々な環境に応答した周期形態の形成機構を探求する実験生物学や数理生物学の研究課題を募集する。概日時計や細胞周期といった普遍的な生体周期のみを扱う課題や、進化・生態スケールの長周期を扱う課題は対象としない。情報学・人間拡張工学の課題としては、例えば、コンピュータビジョン、機械学習、拡張現実感、知覚変換、光学技術などを用いた新規システムの開発など、生物学研究の革新を指向した情報学者・人間拡張工学者の自由な発想に基づく課題を歓迎する。研究項目A01、研究項目A02については「周期とその変調を基盤とした植物発生原理の解明」にどのように寄与し得るのか、研究項目A03については生物学研究の方法論にどのような革新を与え得るのかを明記すること。

 

申請年度 令和3年度
研究期間 令和4年度〜令和5年度
研究項目 ●A01器官形態の表出原理の解明

●A02細胞運命と細胞構造の表出原理の解明

●A03数理情報解析とモデリング手法の開発

応募上限額 単年度当たり400万円
採択目安件数 18件

 

 

領域の概要と第二期公募研究の募集案内

 

 

 

公募研究の募集についてのご質問と回答

 

質問:対象とする植物種はモデル植物のみでしょうか?

回答:モデル植物への限定は全くありません。領域の掲げる研究目標に合致し、計画研究を補完する課題であれば、材料とする植物は問いません。一方で、公募課題についても、単に現象を記述するだけでなく、メカニズムの解明や理論モデルの構築・検証まで行える計画であることが期待されます。

 

質問:細胞周期のような課題は適さないでしょうか? 細胞周期に何らかの変調を与えてその出力を見るような研究であれば可能でしょうか?

回答:生物に普遍的な周期性のメカニズムの解明のみで完結する課題は対象となりません。例えば培養細胞を用いて細胞周期の制御系を見つけるような研究は対象外です。周期から発生現象や生理現象への出力を伴っている課題であることが期待されます。

 

質問:情報系の研究者として周期性を解析する技術をご提案したいと考えています。しかし生物系の知識がありませんので、その技術でどういった情報を増やすことができるかは言及できるのですが、どこまで植物の発生的な面に貢献できるかわかりません。そのような内容でも採択される可能性はありますか?

回答:公募の審査では、生物系に加え、理論や情報系の研究者の方が審査を行いますが、申請書の中で植物の発生研究にどのように貢献し得るとお考えになるかを明確にして頂くことは重要です。生物系の研究者と議論していただいて、どのように貢献できるか考えていただくのも良いか思います。技術開発のご提案であっても生物学の研究にどのように貢献できるかという見通しが示されていれば、採択される可能性は十分にあると思います。また、情報系の研究者の方は植物の研究者には無い発想をお持ちかもしれません。ご自身の知識や技術を活かし、ぜひとも自由な発想に基づいた課題をご提案いただきたく思います。

 

質問:申請する段階で情報系との融合研究を行っていることが必要でしょうか?

回答:まだ融合研究をされていない方でも、本領域の課題設定や融合研究の進め方をご理解いただいた上で、ご自身の研究が領域での新たな共同研究により大きく発展する可能性があると思われた方は、そのお考えに沿った計画をご提案ください。採択後に領域メンバーと新たに共同研究を始めていただくことは大歓迎です。

 

その他のよくあるご質問と回答

 

質問:公募課題は基礎研究としての植物発生学に限定されているのでしょうか?

回答:公募研究課題は広く募集しています。周期や変調は、植物の発生や生理現象の様々な階層に深くリンクしています。幅広い視点に基づいた課題をご提案いただきたく思います。

 

質問:申請額の上限が単年度400万円となっていますが、より少額の課題の申請は可能でしょうか。

回答:理論や情報系の研究者の方の場合、多くの研究経費を必要としない課題もあるかと思います。申請上限額を大きく下回る課題であるからと言って、課題そのものの重要性が低く評価されることは全くありません。無理な計画を立てるよりは、真に必要な額で申請していただく方が、むしろ公募研究者と領域の双方にとって有益であると考えます。

 

質問:情報学者からの公募研究の申請も、「周期と変調」を解析する課題に限られるのでしょうか?

回答:いいえ。情報学者からの提案は「生物学研究の革新を指向した情報学者の自由な発想に基づく課題」としています。生物学者の発見やデータの解釈を助ける技術、データの計測や定量比較を容易にする技術、イメージングデータを変換する技術、作動モデルを表示する技術など、多彩な提案を期待しています。

 

質問:「生物学」の研究を革新する情報学の課題において、対象とするデータは「植物」だけなのでしょうか?

回答:本領域は植物の発生原理や成長制御の解明を目的としていますので、植物科学の研究に利用できることが必要ですが、生物学一般に適用できる技術でも、もちろん構いません。一方で、植物には、個体レベルで移動しない、細胞の形態が比較的一定している、組織や器官が3次元的に構造化されている、イメージングに用いる生物材料を容易に作出し大量かつ安価に維持出来る、といった特性があり、これらは解析技術の開発において大きなメリットになると思います。

 

その他のご質問がありましたら、info@plant-periodicity.org までお問い合わせください。可能な限り、本ページに回答を掲載いたします。質問者やその研究内容の情報は秘匿しますが、メールにはお名前、所属、専門分野を明記して下さい。個別の課題に対するコンサルタント的なアドバイスは行いません。また、なるべく簡潔な文章でお願い致します。

 

 

文部科学省 科学研究費助成事業―科研費―

http://www.mext.go.jp/a_menu/shinkou/hojyo/main5_a5.htm