研究成果Research Highlights

  • プレスリリース

植物の「水の通り道」の形を制御するタンパク質を発見 ~細胞壁形成のしくみ解明へ大きな前進~

著者:Takema Sasaki, Kei Saito, Daisuke Inoue, Henrik Serk, Yuki Sugiyama, Edouard Pesquet, Yuta Shimamoto & Yoshihisa Oda

タイトル:Confined-microtubule assembly shapes three-dimensional cell wall structures in xylem vessels

掲載誌:Nature Communications

掲載日: 2023 年 11 月 13 日 オンライン掲載

URL: https://www.nature.com/articles/s41467-023-42487-w

小田班の小田祥久教授(名古屋大学)らは陸上植物の水の通り道を形づくるタンパク質を発見しました。本研究グループは、道管における細胞壁の微小な孔(壁孔)に存在するMAP70-5タンパク質に着目し、このタンパク質が微小管注2)と呼ばれる細胞内の繊維を曲がりやすくすることにより、道管における壁孔の立体構造を決定していることを明らかにしました。植物の細胞を覆う細胞壁は、細胞の形の維持に加え、水分・養分などの輸送も担います。壁孔を含め、植物の細胞壁の立体構造を決定する仕組みはほとんど明らかになっていません。本研究は植物の細胞壁の立体構造が、微小管の物理的な性質を制御することにより決定されることを世界ではじめて明らかにしました。これは植物の細胞壁の形成機構を理解する上で数少ない重要な知見です。また、本研究から得られた知見を利用して植物の細胞壁構造を改変することにより、将来的な植物細胞の形態や機能、さらには植物個体の性質や形態を人為的に制御する技術、利用しやすい木質バイオマスの生産技術にも繋がる可能性が考えられます。

 

詳細は名古屋大学のプレスリリースをご覧ください

https://www.nagoya-u.ac.jp/researchinfo/result/2023/11/post-587.html