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光によってプロトンポンプが活性化し気孔が開くしくみを解明 〜高いCO2吸収力をもつ植物の開発に期待〜

著者:Saashia Fuji, Shota Yamauchi, Naoyuki Sugiyama, Takayuki Kohchi, Ryuichi Nishihama, Ken-ichiro Shimazaki, Atsushi Takemiya.
タイトル:Light-induced stomatal opening requires phosphorylation of the C-terminal autoinhibitory domain of plasma membrane H+-ATPase
掲載誌:Nature Communications
掲載日:2024年2月20日オンライン掲載
武宮班の武宮 淳史 准教授(山口大学大学院創成科学研究科)、西浜班の西浜 竜一 教授(東京理科大学創域理工学部)、総括班の河内 孝之 教授(京都大学大学院生命科学研究科)らは、植物の「プロトンポンプ」が光によって活性化し、気孔を開口させるしくみを解明しました。

気孔は陸上植物の表皮にある孔であり、光に応答して開口し、光合成に必要な二酸化炭素(CO2)の吸収を促進します。細胞膜プロトンポンプ(H+-ATPase)は細胞内の水素イオン(H+)を細胞外へ汲み出す酵素であり、気孔開口の駆動力を形成します。しかし、プロトンポンプが光によって活性化するしくみについては、これまで解明されていませんでした。本研究では、気孔を構成する孔辺細胞において、プロトンポンプの自己阻害領域に存在する2カ所のアミノ酸が青色光に応答して特異的にリン酸化※2されることを発見し、これらのリン酸化がプロトンポンプの活性化と気孔開口に必須であることを突き止めました。さらにプロトンポンプは孔辺細胞の光合成によってもリン酸化され、気孔開口を促進することを示しました。このしくみを応用することで、プロトンポンプのはたらきや気孔の開閉を人為的に制御することが可能となり、CO2吸収力や成長を向上させた植物を開発できる可能性があります。

詳細は山口大学のプレスリリースをご覧ください。