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植物が幹細胞を永続的に維持できる新しいしくみ 〜転写因子ファミリー内の競合関係〜

著者:Tomoyuki Furuya, Masato Saito, Haruka Uchimura, Akiko Satake, Shohei Nosaki, Takuya Miyakawa, Shunji Shimadzu, Wataru Yamori, Masaru Tanokura, Hiroo Fukuda, Yuki Kondo

タイトル: Gene co-expression network analysis identifies BEH3 as a stabilizer of secondary vascular development in Arabidopsis

雑誌名:The Plant Cell

掲載日:2021年6月1日

URL:https://academic.oup.com/plcell/advance-article/doi/10.1093/plcell/koab151/6287623

 

近藤班の近藤侑貴 准教授(神戸大学理学研究科)らのグループは、葉の細胞から維管束細胞を作り出す培養系VISUALを基盤とした情報生物学的解析から維管束の発生過程に特徴的な遺伝子発現ネットワークの構築に成功し、その中から維管束幹細胞の制御に関わる因子としてBES/BZR転写因子・BEH3を新たに見出しました。さらにBEH3が同じBES/BZR転写因子ファミリーの他のメンバーと競合的にはたらくことで幹細胞の増殖と分化の制御を安定化させるという新たな幹細胞維持のしくみを明らかにしました。今後さらに幹細胞制御因子を見つけていくことで、植物の幹細胞が長きにわたって維持される分子基盤の理解につながることが期待されます。

 

本研究から考えられる維管束幹細胞制御のモデル図。BES/BZR転写因子ファミリー間の競合関係は維管束幹細胞の増殖と分化のバランスを安定化させ幹細胞の永続的な維持に貢献する。

 

 

詳細は神戸大学のプレスリリースをご覧ください。

https://www.kobe-u.ac.jp/research_at_kobe/NEWS/news/2021_06_01_01.html