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トマトの葉の形態の多様化の過程を明らかに

 

 

著者: Hokuto Nakayama, Steven D. Rowland, Zizhang Cheng, Kristina Zumstein, Julie Kang, Yohei Kondo, Neelima R. Sinha

タイトル:Leaf form diversification in an ornamental heirloom tomato results from alterations in two different HOMEOBOX genes

掲載誌:Current Biology

掲載日: 2021年9月2日

URL: https://doi.org/10.1016/j.cub.2021.08.023

 

 

生物は多様な形態を示し、その中でも作物や家畜は、栽培化および家畜化、そしてその後の育種の過程で自然界では見られないような特殊な形態を示すことがあります。しかしながら、その過程で、どの遺伝子に、どのような変化が起きてそのような形態になったのかについては、依然として多くが不明のままです。塚谷班の中山北斗助教(東京大学大学院理学系研究科)、総括班の近藤洋平助教(自然科学研究機構生命創成探究センター)らの共同研究チームは、特定の地域のみで栽培され、特徴的な葉の形態を示すトマト(Solanum lycopersicum)の品種に着目し(図)、その栽培の過程で、二つの異なるHOMEOBOX遺伝子に変化が起きたことで特徴的な葉の形態が生じたことを明らかにしました。本研究により、作物の栽培の過程において、どの遺伝子に、どのような変化が起きたことで形態の多様化に繋がったのかが明らかになったとともに、今後、作物や観賞用の植物を用いた形態の改良に応用することが可能な知見が得られたと言えます。

 

図:トマトの葉の形態の比較
(左)一般的なトマトの葉の形態を示す系統であるM82。

(右)高い複雑性を示すheirloom tomatoであるSilvery Fir Tree。

 

 

詳細は東京大学のHPをご覧ください。

https://www.s.u-tokyo.ac.jp/ja/press/2021/7519/